爆心地公園へ一歩一歩
 暑い中、激励受け、長崎県をすすむ平和行進


 被爆六十年。「あの日」の惨状と犠牲者に思いを寄せながら、被爆地長崎に向け歩き続けてきた国民平和大行進は三日、長崎県東彼杵町役場前から大村市役所まで、約十八`の歩みをすすめました。佐賀県境を越えて三日、ゴールの爆心地公園(長崎市松山町)まであと四十数`です。
 きょうも、じりじりと容赦なく照りつける日差し、うるさいほどのセミの鳴き声、つけた衣類を汗がぬらします。
 東京や広島を何日も歩いた後、初めて長崎に足を踏み入れた府川一布さん@Lら、六人の通し行進者を先頭に六十人を超える人たちが、沿道から手を振り、「一歩でも二歩でもいっしょに歩きましょう」と呼びかけながらの行進です。
 「ご御苦労さま、お疲れさま」と、こうべをたれるお年寄りや、店先から拍手で見送る若者の姿も。沿道で募金に応じてくれる人もいます。
 「二回、腕の皮がむけました」と、褐色の笑顔が光る竹田昭彦さん(65)は沖縄からの通し行進、歩いた距離は五百`を超えました。「節目の年だからなのかな?、戦争を体験した世代の人たちが家から出てきたり、手を振ってくれるのが多くうれしい。いろいろ妨害はあっても核兵器廃絶は世界の流れ。しっかり歩いて世界大会を成功させたい」と、平和行進に寄せる熱い思いを語ります。
 国境の島・対馬から初めて参加、福岡から歩き続けている木寺暁洋さん(24)は、「きついけどやりがいがあります。お年寄りの応援が大きいと感じます。もうあとわずかですからがんばります」と元気に話してくれました。
 行進は、諫早市を経て六日に長崎市街に入り、夕刻爆心地公園に到着、集結集会が行われます。

「しんぶん赤旗」2005/8/5