原爆症認定集団訴訟の支援訴え宣伝・署名
「政府はもっと責任もつべき」と市民ら


 「いまも苦しむ被爆者の裁判に支援を」|。長崎地裁に二十九人が提訴している原爆症認定集団訴訟が山場を迎えるなか、同訴訟を支援する会・長崎は十六日、長崎市浜町の鉄橋(てつばし)で、支援を呼びかけるビラを配り署名を呼びかけました。原告や被爆者、支援する会のメンバー約二十人が参加しました。
 梅雨明けを思わせる炎天下。支援する会の山田拓民事務局長が、「被爆者が病身を押して訴えているのは、国が原爆被害を正しく認めようとしないからです」と、同訴訟への支援と核兵器廃絶をマイクで訴えます。
 そばで、一枚一枚のビラを必至に配る被爆者の姿が目を引きます。二十四歳のとき、勤務先の電車の車庫で被爆した井手スノさんです。井手さんは、「義妹はいまだに遺体も分かりません。ビラを読んで裁判を応援してくださいというだけなんですけど」と流れる落ちる汗をふき、ビラを受け取った人にお礼をのべていました。
 買い物袋を片手に署名した女性は、「私は引揚者。戦争はいやだから、原爆はいやだから署名しました。政府はもっと被爆者に責任を負うべき」と話していました。
 同訴訟は、いよいよ九月から原告の証人尋問が始まります。来春にも結審する見通しです。

「しんぶん赤旗」2005/7/17