長崎市で「学校進軍歌」展
 一行一行が怖い
 
 日本が戦争をしていた時代の小学生たちは「少国民」と呼ばれ、「忠君愛国」「臣民の道」への教育一色、授業内容は鍛錬・練成だった−。
 戦時下、小学生の人間づくりをすすめた歌を集めた「學校(がっかう)進軍歌の展」が、長崎市松が枝町のナガサキピースミュージアムで開かれています。十八日まで。終戦・被爆六十年記念企画の三回目です。
 〜僕等の身体に込めてある 弾丸は肉弾・大和魂〜と歌う「勝ちぬく僕等少国民」「少国民決意の歌」など、当時、子どもたちを「一億一心」の軍国少年に育てるための重要な一翼を担った「進軍歌」の歌詞や、写真がところ狭しと並んでいます。歌も流れています。展示資料には、「お菓子無き 時代(とき)の遠足 軍歌あり」という句も付けてあります。
 「この歌知っています」といって展示資料を見ていた女性AEは、「何の疑問もなく歌っていたんです。もっと孫たちに戦時中のことを話しておくべきですね」と感想を語っていました。
 展示目的を説明する同ミュージアムの増川雅一事務局長は、「戦争を賛美した歌詞の一行一行が本当に怖い。いま若い先生たちは子どもたちに戦争をどう教えるか悩んでおり、多くの小学生に見てほしいです」と話します。今こそ「平和進群歌を」と、歌詞募集の箱も設けられていました。

「しんぶん赤旗」2005/7/9