沖縄戦を聞き考えた
長崎市・上戸町病院九条の会

 憲法について「知ろう」「語ろう」を合言葉に、こつこつ職場で活動を続けている長崎市の「上戸町病院九条の会」が評判を呼んでいます。
 六月二十八日には、沖縄民医連からの医師支援で同病院に勤務している内科医の仲西常雄先生から「沖縄戦」の話を聞き、二十数人がともに考えました。
 「聞く会」のニュースを知って、別の診療所から駆けつけた人もいました。
 仲西氏は、「祖父も、壕(ごう)の中で自決に追い込まれた」「一歳のとき大空襲をうけ、私自身生きているのが奇跡」と体験を静かに語ります。
 住民を巻き込んだ根こそぎ動員、天皇の軍隊(日本軍)による避難壕からの住民追い出し食糧強奪、集団自決など、「野蛮極まる沖縄戦で一般県民十五万六千人(死者の六七%)が犠牲になった」「戦争は殺し合い、軍隊では国民の命も平和も守れない」と。
 参加者からは、「軍隊は戦争が目的、自衛隊を支える思想も同じと思った」「沖縄は『海がきれい』という感じで、沖縄戦も沖縄返還も知らないひとが多い。まず自分が学んで、まわりに伝えたい」などの感想が出されていました。
 上戸町病院九条の会は、「平和のために何かをしたい」と四月、病院の医師や職員五人でスタート。患者さんらの知恵や力も借り、「憲法ってなに」「戦争体験を聞く会」などに取り組んできました。仕事帰り三十分の「ちょこっと学習」、財政づくりの「九条カレー」も好評。取り組みのたびに会員も増え、この日二人が入会しました。

「しんぶん赤旗」2000/7/2