二〇〇五年長崎県母親大会(鎌田信子実行委員長)は十九日、長崎大学経済学部キャンパス(長崎市片渕町)にのべ八百五十人が参加して開かれ、憲法、子どもの学力、年金、公共施設の民営化問題など六分科会とともに、「輝け日本国憲法〜一〇〇人の村から見えること〜」と題して口承文学評論家の池田香代子さんが講演しました。
 池田香代子さんは、権力を持ったものを縛る道具が憲法であることを歴史から解き明かし、「憲法を変えようとしている人は国民を縛ろうとしている」と述べ、「一人ひとりが大切にされない社会、それは政府が戦争を始める社会。一人ひとりを大切にするためには戦争をしてはいけないと一三条の精神から九条が生まれたと思う」と語りました。そして、「まず今の気持ちを五人の人に語りましょう。メディアで頑張っている人を支えましょう。投票に行きましょう」などのすぐできる行動を呼びかけました。
 午前中の「憲法」分科会では、被爆者の下平作江さんが、「一〇才の時被爆し、母と姉は真っ黒になって死にました。人間らしく生きることを許さないのが戦争です」と被爆体験を生々しく語りました。また大村市から参加した女性は、「明治二七年に生まれた母は、我が子を戦争の道具にすることを拒否しました。若いお母さん、権力を恐れず子どもを守れる母になって下さい」と発言。参加者から共感の拍手が起こり、「九条の会」を各地区につくろうという思いが一つになりました。
 大会では、「今こそ平和憲法を堅持し、力を合わせてよりよい時代を切り開きましょう」と呼びかけるアピールを採択しました。

平和憲法守り、よりよい時代を
 2005年長崎県母親大会に850人

6つの分科会の報告をする代表

講演する池田さん