漁民を激励する中田晋介県議(マイク)、田村衆院候補(中央)、北村諫早市議(左から2人目)、中野諫早市議(左

 七日朝六時、国営諫早湾干拓事業の工事が再開された長崎県諌早市小野島の中央ゲート前に、有明海沿岸四県の漁民約三百人が集結しました。
 深刻な漁業被害に背を向けた福岡高裁の決定。その決定ですら、事業と漁業環境悪化の関係を認め、国に中・長期開門調査を義務づけているのに、「工事を再開するのは許せない」と、同ゲートなど三カ所で怒りの座り込みを実施したものです。
 日焼けした顔、「宝の海を返せ」の鉢巻が朝日に輝いています。たくさんの横断幕やのぼり旗、大漁旗が掲げられるなかで始まった「座り込み開始集会」。
 四県漁民の代表は、「このたたかいの勝利なくして漁民が助かる道はない」「漁民を無視した国のやり方は許せない」「漁業で暮らせる海を取り戻そう」などと次々に訴えました。
 「佐賀有明の会」の漁民たちは、トラック二十五台を連ねて九州農政局・諫早湾干拓工事事務所を訪れ、工事再開と中・長期開門調査見送りに抗議。長崎県知事に開門調査の実施を国に求めるよう要請しました。
 「よみがえれ!有明海訴訟」を支援する諌早と大村の会の女性たちは、六百個のおにぎりで座り込みを激励しました。
 諫早平野と広大な工事現場に挟まれた日陰のない座り込み現場。強い陽射しがじりじり照り付けるなか、座り込みは終日続けられました。
 この日、中央干拓地の工事現場は静まり返っていました。

「再生までたたかう」集会で漁民ら、決意次々
 諫早湾干拓工事のゲート前で開かれた抗議集会。座り込んだ漁民をはじめ、激励にかけつけた市民・支援者らが「有明海再生までたたかうぞ」の決意を固め合いました。
 漁民は、「福岡高裁決定のその日に、工事は再開、『中・長期開門調査はしません』とは何ごとか」と相次いで怒りの声をあげました。
 市民も、「農水省は、海を愛する人の気持ちを、税金を使って踏みにじるのか」。諫早干拓緊急救済本部の山下八千代代表、「よみがえれ有明海訴訟」を支援する各県の会、各県の県労連や長崎民医連の代表らが次々発言しました。
 「早朝三時過ぎに福岡県大川市から、二時間半かけて十人で来た」というノリ養殖漁業者は、「この工事は破壊工事だ。魚も人間も生きていけない。高裁は中・長期の開門調査をせよといっているのだから、最低限守ってほしい。毎日でもここに来て抗議したいほどだ」。

田村氏ら共産党が激励
 漁民の座り込み・集会には、日本共産党の田村貴昭衆院比例代表候補、小沢和秋前衆院議員、長崎県の中田晋介県議、木村和俊、中野太陽両諫早市議、佐賀県の池崎基子東与賀町議、熊本県の西川悦子熊本地区副委員長らが現地を訪れ激励しました。
 田村氏は、佐賀の漁師からもらったノリをかかげ、「このノリをいつも持っていって、農水省に被害を見ろと突きつけ、水門を開けよと要求している」と報告しました。「有明海が元の海に戻るまでたたかいます。がんばりましょう」とのあいさつに、漁民から力強い拍手が起こりました。
「中・長期開門調査のない工事再開許せない」と、漁民三百人が座り込み

「しんぶん赤旗」2005/6/8