「被爆者はどこにいても被爆者」長崎・深堀地区で被爆体験者連絡会が発足
                     「しんぶん赤旗」2005/4/21

 被爆地域の拡大・是正を求めて運動を続けてきた長崎原爆被爆地域拡大連絡会の深堀地区の被爆者らが十六日、地区内(長崎市深堀)で集会を開き、深堀地区・被爆体験者連絡会を結成。「被爆者は全国どこにいても被爆者」の立場で、「十二`居住要件」撤廃や被爆者援護法に基づく医療給付の運動をすすめることを決めました。
 集会には約八十人が参加。旧三和町の高比良元・町長(現長崎市議)など、独自に「居住要件」撤廃に取り組んでいる旧三和町の被爆「体験者」らも駆けつけました。
 全国被爆体験者協議会の林晃会長とともに、日本共産党の山本誠一市議が、六月一日実施予定で検討がすすめられている被爆体験者援護制度の「改善措置」の問題点について報告しました。
 山本氏は、わずか二年の制度実施で矛盾が浮きぼりになりそれを正す検討会なのに、「十二`内居住者から県内居住者に対象地域を見直す一方で、予算を三割も削り対象疾病を大幅に限定しようとしている」と批判、国家補償の立場が欠落しているとのべました。
 参加者からは、「高血圧とメニエール病がもとで転倒し骨折したのに、やっともらえた医療受給者証は使えないといわれた」(爆心地から約五`で被爆、深堀町在住)「いっしょに被爆した身内が県外にいる、同じ被爆者として扱ってほしい」などの切々たる訴えが続き、「その通りだ」と共感の拍手が響きました。
 発足した連絡会では、全国協議会と協力して被爆「体験者」援護の運動をすすめるとともに、被爆体験を語り継ぐこと、核兵器廃絶の署名に全力で取り組むことを申し合わせました。
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@被爆体験者とは@ 被爆地域の被爆者と区別するための呼称。二〇〇三年四月、国は是正措置として、爆心地から十二`以内で被爆しながら被爆者として認定されていない人たちに、PTSDの影響による健康障害に医療費の支給を認めた。いまも十二`以内に居住していることが条件。