有明海訴訟支援する会が総会
「水門開放・真の有明海再生へ」大きな一歩踏み出す一年に、河西弁護団副団長らが状況報告
               『しんぶん赤旗』2005/3/8

 「よみがえれ!有明海訴訟」を支援する長崎の会は五日、長崎県諫早市内で二〇〇五年度総会を開き、「福岡高裁抗告審での勝利、真の有明海再生への大きな一歩をふみだす」との方針を決めるとともに、同訴訟弁護団の河西龍太郎副団長が講演。仮処分命令後の国の動きと不当性について詳細に解明しました。九十人を超す会員が参加しました。
 支援する会の田北徹代表世話人は、「この運動は漁業者救済だけでなく、われわれと子孫のためのもの」とあいさつ。
 河西氏は、昨年八月の干拓工事差し止め仮処分と、その後の国の異議申し立てをしりぞけた「保全異議決定」を高く評価しました。同氏は、その後の福岡高裁への保全抗告など、国の姿勢を、「新しい言い分も、証拠も示さないふてくされた子どものような態度」と批判、「世論を無視し、被害に苦しむ漁民を置き去りにしたうえに、司法手続きすらないがしろにする態度」とのべ、さらに大きな世論で漁民・市民の正義の歯車を前進させようと呼びかけました。
 同訴訟を支援する全国の会の岩井三樹事務局長は、深刻化する有明海漁民の現状を、「ノリの色落ち・不作がさらに広がり、今年に入っても自殺者が相次いでいる。事業中止と水門開放は待ったなしの状況」と強調、司法判断を無視した国の抗告審や執行停止申し立てに対するたたかいは急務と訴えました。
 総会では、抗告審での勝利めざし沿岸自治体住民への大宣伝、署名、支援する会会員拡大など、多様な運動をすすめる新方針を決定。五人の代表世話人をはじめ新しい役員を決めました。