一月三十日の住民投票で、九割の市民が「議会解散を」と求めた長崎県五島市の出直し市議会議員選挙は、二十日告示・二十七日投開票で実施されます。
 五島列島・旧福江市と周辺五町の合併で誕生した同市、議会は在任特例で超マンモス議会に。「九十一人の議員はいらない」「市民の常識とかけ離れている」と草の根の署名運動がすすめられ、圧倒的市民の力で今回の選挙となったものです。
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 市議会の新定数は二十六。日本共産党は向原安男、橋本憲治、江川美津子(いずれも前)の三氏を立て、議案提案権をもつ三議席獲得に全力をあげます。
 今回の選挙について「住民投票を求める会」代表の一人、三辻光雄さんは、「解散を実現させた住民の力で、市民の声が生きる議会をつくることができるかどうかがためされる」と強調します。
 十二日、日本共産党は市福祉保健センターで、田村貴昭衆院比例候補を迎えた演説会を開きました。「演説会は初めて」という女性は、「住民投票を通じて市民の力を実感しました。私も選挙の考え方を変えなければと思い、直接お話を聞きに来ました」と参加の動機を語ります。
 演説会で向原前市議団長は、議会の自主解散に力を尽くし、住民投票の成功に大きな役割を果たした党の活動を報告。「これまで以上に市民の声をしっかり受けとめ、謙虚に誠実にがんばりたい」と日本共産党への熱い支持を訴えました。
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 七割の投票率で九割の「解散賛成」は全国でもまれといいます。そこには、「地域のボスが即議員という構図はもういらない」「報酬目的でなく、市民の立場で行政を監視して」など、市民の強い思いが込められています。「議会解散」の声は、在任特例への批判だけでなく、議員としての仕事をまともにやらない議員に対しても厳しい目を向けているのです。
 日本共産党は昨年の合併直後から、旧福江市と旧五町の住民サービスの違いや行政格差をつぶさに調査しました。
 江川前市議は、「要求あるところ、まず行って話を聞こう」と周辺町を訪ね、巡回バスや福江中学校給食実現などの活動も紹介。「粘り強い努力があれば住民の声は必ず実現できます」と励まし、介護サービス改善などに取り組んでいます。
 消防や救急車など、救急設備・体制の面でおくれている周辺の町の実態を自ら調査した橋本前市議は、「観光の島・五島にふさわしい街づくりには、中心市街地の活性化とともに、周辺の町の環境整備が不可欠」と、合併後の課題に新たな決意を燃やしています。
 街頭や演説会ではじめて共産党の話を聞いたという平山惣一さんは、「生活に密着した身近な話ばっかりでびっくりしました。知り合いにも議員がいますが全然違う、精一杯応援させてもらいます」と緊張した表情で話していました。
 今回の選挙。四十二人の前市議(旧福江市議十七人、旧五町町議二十二人)と新人二人の四十四人が争う激戦です。当選にはこれまでの一・五倍の得票が必要、「地域ぐるみ」のしめつけも根強く残っています。
 「市議選は、解散を勝ち取った市民の声を実らせる最後の仕事。住民の声が生かされる市政へ、日本共産党の三議席がどうしても必要です」|。応援にかけつけた田村衆院比例候補らの街頭からの訴えに、遠くで大きくマルを描いてみせる人の姿が見えました。

五島市議選。住民投票の力を、新しい五島市つくる力に。住民の声が生きる市政へ日本共産党の三議席を

「しんぶん赤旗」2005/2/16