この経験を合併後の地域づくりにも

 「合併直前のムダな町議選は中止を」と、署名運動が行われた長崎県高来町では二十二日に「町議選の中止」が決定。
 署名をすすめてきた「町議選の中止を求める会」(福田靖宏代表)は二十六日、「あたりまえの常識と底力は健在であった」との見解を示し、町民の意思を明確にするとして、十日間に寄せられた三千九百六十三人分(有権者の四五%)の署名を同町選挙管理委員会に提出しました。
 選挙日程が告示された後に「中止」が決まった例は全国的にもまれ。商売用の車で宣伝したり、署名に駆け回った町民らは、「こんな経験は初めて、仕事にも元気が出た」と大喜びです。
 町民の間からは、「『おかしいことはおかしい』と町民が立ち上がった意義は大きい」「町民の良識を内外に発信できてよかった」との声が多く聞かれ、「合併後の地域づくりには、今回のような活動がもっと大切になると思う」などの意見が出されています。
 「求める会」の宇野康行副代表は、「町の選管もよく決断してくれ、みんな喜んでいる。町民の意思が陰湿な圧力を封じ、良識が勝利した。貴重な体験を今後の町づくりに生かしたい」と、町民が一つになった署名運動を振り返りました。

北高来郡 高来町
町民の良識と底力示した「町議選中止」署名

「しんぶん赤旗」2005/1/28