一九九〇年一月十八日、「昭和天皇に戦争責任はあると思う」とのべた長崎市の本島等市長(当時)が右翼の銃撃をうけて十五年。「この日を忘れまい」と長崎市役所従業員組合(市従組)は十七日、原爆資料館ホールで、「第十五回自由と民主主義を願う市民のつどい」を開きました。
 本島氏も元気な姿をみせ、「戦争がどういう(悲惨な)ものか伝え続けたい」とあいさつ。「九条の会」の小森陽一事務局長(東京大学教授)が、「あなたが語る日本国憲法」と題して講演しました。
 小森氏は、「九条の会」の講演会が全国で大きく成功し、半年間の運動が報道を変えてきた教訓にふれ、「(必要なのは)みなさん自身が憲法の語り部になること」と繰り返しました。
 同氏は、「憲法についてしかるべきべき理解をしているか」と問いかけ、基本的問題として「憲法は国家権力を縛るための最高法規」「九条改悪はアメリカの世界戦略」など六つのあげ、「主権者は国家権力に憲法を守らせる権利をもっている」などと強調しました。
 参加者は、理路整然とした講演の一つひとつにメモをとりながらに聞き入り、「憲法の重みをこんなに分かりやすく聞いたのは初めて。憲法を守る意味がよく分かった」(五七歳・女性)などと話していました。
 集いには約二百人が参加、「平和憲法が輝く二十一世紀を」とのアピールを確認しました。

市民も憲法の語り部に
 九条の会事務局長の小森陽一さんが訴え

市長銃撃から十五年 長崎市従組が市民のつどい

「しんぶん赤旗」2005/1/19