正月二日朝、長崎市松山町の平和公園は風もなく穏やかです。
 原水爆禁止長崎協議会(長崎原水協、同市)はこの日、新年恒例の反核・平和の署名行動に取り組み、「被爆六十年の今年を、核兵器廃絶への転機の年に」と呼びかけました。
 行動には約十人が参加、新年のあいさつを交わしながら、準備する手にも力がこもります。その間にも、観光客や市民が訪れ祈念像に手を合わせたり、展示された原爆写真パネルに見入っています。
 北海道から観光にきたという四人の家族連れは、「ほら、ここに原爆の影が映っている」と閃光に焼かれて跡形が残った写真パネルを指差しながら、小学生の子どもといっしょに説明文を読み合っていました。
 「長崎は修学旅行いらい」という山本正男さん(横浜市)は、「原爆は二度と繰り返してはいけない。平和な世界であってほしいという思いで来ました」と、一枚一枚ていねいに被爆写真を見つめていました。
 長崎原水協の大塚孝裕事務局長は、「今年は被爆六十年の節目の年。『憲法九条守れ』『イラク戦争やめよ』などの課題とも結び、被爆地から核兵器廃絶の原点にたった共同行動を広げて世論を大きくしたい」と、新年の抱負を語っていました。

長崎原水協が新年の署名行動

「被爆六十年を核廃絶の転機に」との訴えに観光客ら次々署名

「しんぶん赤旗」2005/1/05