被爆校舎保存問題などで長崎の街づくりを問う

 被爆遺構・新興善救護所(旧新興善小学校)や大浦海岸通りの歴史的景観の保存を訴える市民シンポジウム、「残そう、長崎の歴史遺産・景観」|これでいいのか長崎の街づくり|が二十八日、長崎市の教育文化会館で開かれました。
 「長崎を平和文化の輝きと、戦争文化の悲惨さを世界に向けて発信する真の国際文化都市に」と、「長崎の証言の会」などが実行委員会をつくって主催したものです。
 被爆者の末永浩さんら四人がパネリストとして発言。末永さん(長崎の証言の会)は、長崎最後の大型被爆遺構である被爆校舎の一部保存について、「死んでいく被爆者に代わって、原爆の悲惨さを語るのは被爆遺構。壊したものは元に戻らない」と、遺構保存の重要性を訴えました。
 平和公園の被爆遺構を保存する会の竹下芙美さん、長崎原爆中心碑裁判原告の阪口博子さんは、「浦上刑務支所」や「原爆中心碑」を、市民の運動によって残してきた経験を報告。大浦海岸通りと東山手の景観を守る会の林正康さんは、大型マンション建設で長崎の歴史的景観を壊してはならないとパネルを使って訴えました。
 参加者からも、「質問状にも答えず、市民の声にも耳を傾けない」などと市長への批判の声が相次ぎ、「保存を決めるのは市民の世論」と、幅広い運動を確認しました。
「残そう、長崎の歴史遺産・景観」テーマに市民シンポ