「戦争支援でなく、現地の人が喜ぶ復興支援こそすべき」と参加者の声

 アフガニスタンなどで医療や農業復興、人道支援活動を二十年間続けているNGO(非政府組織)ペシャワール会‖福岡市‖の中村哲現地代表の対談「アフガニスタンは今」が十八日、長崎市松が枝町の旧香港上海銀行長崎支店記念館で行われました(ナガサキピースミュージアム主催)。
 同ミュージアムでアフガニスタン写真展を開いている長崎市在住の写真家・東松照明さんとの対談が実現したもの。
 中村代表は多くの写真映像を使い、「水さえあればアフガニスタンの自然と農業は回復する、それが平和の基礎」と、現地の人たちの知恵を生かした共同の井戸やかんがい用水路づくりを紹介。 同氏は、9・Zテロを口実にした報復戦争後の現実を見て欲しいとして、「貧乏が増え、女性の物乞いと餓死が広がった。絶滅していた麻薬が復活し、治安は過去最悪」とのべ、「これが『解放』の実態」と報告しました。また、自衛隊のイラク派兵にふれ、「イスラム教徒としての一体感が強く、現地では米国支援の軍隊と理解している」と不安を語りました。
 夫婦で参加した長崎市内の女性は、「小泉さんがどんどん戦争の方に向かい裏切られた思いを持っていたので、中村さんの話に納得しました。政府は、信念をもって支援活動を続けている人たちの生の声をもっと聞いて、その国の人たちが喜ぶ支援こそすべきです」と話していました。
中村哲医師、アフガンの現状を「物乞いや餓死が増え、治安は最悪というのが『解放』の実態」と報告
「しんぶん赤旗」04/01/21