来春の和解めざし協議へ

 福岡と長崎の両地裁で争われている、三井松島じん肺訴訟で長崎地裁は二十一日、この日開かれた第十五回口頭弁論後の進行協議で和解案を提示、来月二十五日に第一回和解交渉が行われることになりました。
 同訴訟は、旧池島炭鉱(長崎県外海町)や大島炭鉱(同大島町)などで働きじん肺にかかったとして、元従業員と遺族百五十五人(福岡地裁八十一人、長崎地裁七十四人)が三井松島産業と松島炭鉱を相手に「謝罪と補償、じん肺根絶」を求めているもので、今回の和解勧告は長崎地裁提訴分です。
 熊谷悟郎弁護団長は和解案について、「基本的に歓迎できる内容。二年十カ月の短期で和解案提示にこぎつけたのはこれまでの全国のたたかいの成果を反映したもの。原告団と協議し、加害企業の社会的責任を明確にして早期全面解決をはかりたい」「福岡地裁分にも大きく影響するだろう」とのべました。
 井上久男原告団長は、「裁判引き延ばしなどいやがらせもあったが早期解決の方向が見えてうれしい。十三万五千の署名など、弁護団や多くの支援のおかげ」と感謝をのべました。
 同訴訟(長崎地裁分)は来年二月二十二日に結審の予定です。

三井松島じん肺訴訟で長崎地裁が和解案を提示

「しんぶん赤旗」2004/12/23