三方山産廃。被告企業の証人尋問で、不法投棄の実態がいっそう浮きぼりに

 「市民の水がめが危ない!」と、産業廃棄物処理業者・長崎三共有機三方山事業所(長崎市松崎町)と長崎市などを相手に、処分場の操業停止や汚染環境の原状回復を求めた、「三方山水源訴訟」の初の公開審理が七日、長崎地裁で開かれました。
 この日は、被告企業の元専務・草野耕氏への証人尋問が行われ、原告側の梶山正三弁護士が下水汚泥などの処理実態について証言を求めました。
 草野氏は、「一bから一・五bしか埋めていない」「知らない」などと、信ぴょう性に乏しい証言を繰り返し、逆にズサンな処理の実態が浮きぼりになりました。
 公判後の集会では、同事業所元従業員で原告の渡辺貞臣さんは、「(草野氏は)下水汚泥はマスに埋めたなどというが、会社の指示で垂れ流したのは私。偽証だらけの証言だった」と感想を語り、事業所の姿勢を批判しました。
 原告団の田原晃哲団長は、「近年、三方山北側斜面の下流域で大腸菌群が検出され、その水の神浦ダムへの流れ込み付近でも淡水赤潮が発生している。問題になってから、南側に埋める代わりに、北側斜面に大量放棄した可能性が大きい」と指摘、北側斜面からダム湖への流入口の水質やダム湖底土の検査の必要性を強調しました。
 次回公判は十二月十四日の予定です。
三方山水源訴訟で初の公開審理