諫早干拓工事差止め決定

国は異議申し立て撤回せよ

有明海の漁業再生に逆行

福岡・柳川 4県漁民ら緊急抗議集会


  国営諫早湾干拓事業の工事差し止めを命じた佐賀地裁の仮処分決定に農水省が異議を申し立てたことに抗議する緊急集会が8月31日、福岡県柳川市のホテルで開かれました。

 集会では「農水省がただちに申し立てを撤回し、司法の判断に従うことを求める」決議を満場一致で採択しました。

 会場には、福岡、佐賀、長崎、熊本の有明四県から集まったハチマキ姿の漁民や支援者ら約150人が参加。佐賀地裁が下した諫早干拓工事の続行禁止を命じた決定内容や今後の裁判の行方などにたいする弁護団の報告を、じっと聞き入りました。

 馬奈木昭雄弁護団長は「国がおこなった異議申立書には理由は何も書いていない、言えないからで、じつにけしからんことだ」と批判。さらに、「農水省の本来の使命は、漁民の生活と漁場を守ること。水門を直ちに開けさせ、被害回復へむけた活動に総力をあげよう」と訴えました。

 このあと4県の漁民ら7人がマイクを握って意見を表明。「仮処分決定を勝ち取ったのは、弁護団、支援の会、全国の世論の結集にある。これからも手を携えて、干拓事業の見直し・中止へむけて農水省を追いつめていこう」「ノリ漁の不作を4年前から訴え続けてきたが、佐賀地裁の決定でやっと希望の光が見えてきた。初心にかえって頑張っていこう」「3日には福岡県有明海漁連の組合長会議が開かれ、抗議の海上デモが話し合われることになっている。4県の漁民が一体となって、諫早にかけつけよう」など次々と語り、参加者は共感の拍手を送っていました。

 このあと、決議文が朗読され、「農水省の存在意義は第一義的に有明海の漁業再生にあり、これに逆行する異議申し立てに断固抗議する」ことも決議しました。

 日本共産党からは小沢和秋前衆院議員が参加し、激励をしました。(しんぶん赤旗九州・沖縄面)