佐世保小六事件。「彼女の心の奥で何があったのかを知りたい」と心境語る

 長崎県佐世保市で起きた小六女子児童の同級生殺害事件で、死亡した御手洗怜美(みたらい・さとみ)さんの父親・恭二さんは二十四日、長崎家庭裁判所佐世保支部で初めて意見陳述を行いました。
 怜美さんの遺品のブレスレットをつけた恭二さんは、「きちんと読まなければ」と自分に言い聞かせ、怜美さんと家族のこと、相手の女児のこと、審判・処分への思いについて約二十分間陳述。裁判所に対し、「彼女の心の奥底で何があったのかを知りたい」と、いまも続くつらい心情を伝え、資料や調査内容、鑑定結果など可能な限りの開示を訴えました。
 陳述後、記者会見した恭二さんは、「陳述書は半月ぐらいかけて書き、心情は織り込めた」とのべながらも疲れた表情。「(準備のため)事件の概要を読んだとき、学校の事件現場にいて(物言わぬ)わが子を思い出しショックを受けた」と、消えることのない家族の苦しみを吐露しました。
 加害女児の両親からの謝罪の手紙について、「今月に入ってすべて目を通した。彼女の実像を知るためにも、ご両親と会う必要がある」とのべるとともに、「私にとって、謝罪や償いのことばには意味を感じない」「彼女については、気持ちの整理がついていない」と繰り返し、「『同級生に気をつけろ』とまでいわなければならないような時代かと思うとあまりに悲しい」と、会見のことばを結びました。
死亡した御手洗怜美(みたらい・さとみ)さんの父親・御手洗恭二さんが、遺品を手に意見陳述