2004年8月10日(火)「しんぶん赤旗」

被爆60年へ行動の年に

原水爆禁止世界大会が閉幕

「核兵器廃絶署名」世界で


閉幕した原水爆禁止2004世界大会・長崎全体総会=9日、長崎市民会館体育館

 被爆から五十九年目を迎えた九日の長崎市。市主催の平和式典はじめ核兵器廃絶を願う多彩なとりくみが行われました。原水爆禁止二〇〇四年世界大会・長崎の全体総会は午後一時から市民会館体育館で開かれ、二千五百人の参加者が核兵器廃絶の思いを一つにしました。世界大会は閉幕しました。

 起草委員会責任者の安斎育郎さん(立命館大学教授)は、国際会議宣言の内容に触れながら、ことしの世界大会が核兵器廃絶へ政府、自治体、NGO、市民が力をあわせて前進する展望を切り開いたと強調。被爆六十年、核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれる〇五年へ向けた行動に直ちに立ちあがろうと呼びかけました。

 新日本婦人の会の高田公子会長は「『いま、核兵器の廃絶を』署名を世界と日本で大規模にすすめ、来年五月にNPT会議が開かれる国連を署名簿で埋め尽くそう」と行動提起しました。

 六人の海外代表が、来年の被爆六十周年にむけ、草の根からの行動をおこす決意を語りました。

 長崎で被爆した日本被団協代表委員の山口仙二さんは、「ブッシュの核政策に体中の血を煮えたぎらせている」として、米国の核政策と日本政府の核容認政策を批判。「核のない世界をつくりたい。生きて生きて生きつづけ、被爆者の願いが一日も早く実現するよう、力を結集したい」と訴えると、多くの参加者が立ちあがって拍手を送りました。

 国内外の被爆者、核被害者のたたかい、米軍基地反対の取り組みなどが多彩に報告されました。

 二人の政府代表も発言。非同盟運動議長国のマレーシアのフセイン・ハニフ氏は「世界大会に参加して大変感動した。人生にとってかけがえのない経験だった。核軍縮の仕事に生かしたい」とのべました。新アジェンダ連合のメキシコのルイス・アルフォンソ・デアルバ氏は「広島、長崎での大会で素晴らしいエネルギーをもらった。核保有国に核廃絶の『明確な約束』を守らせなければならない」と語りました。

 総会は、核兵器廃絶への努力を求める長崎決議「各国政府への手紙」を採択しました。