原爆症認定を申請し却下された被爆者が、処分の取り消しと精神的苦痛への賠償を求めた「原爆症認定集団訴訟」の第八回口頭弁論が十二日、長崎地裁(田川直之裁判長)で開かれました。
 この日は、原告側が証拠採用を求めていたビデオ「ヒロシマ・ナガサキ 核戦争のもたらすもの」(約45分)が上映されました。ビデオは、「原爆によって破壊され奪われたものは人間社会そのもの。放射能は被爆者の一生を縛りつけた」と被爆の実相を告発、治療すら受けられず亡くなった被害者のうめきを後世に伝えなければならないと結びました。
 十八歳の時、爆心地から一・五`で被爆した原告・深井治夫さんは、「あのきのこ雲を見るだけで胸がしめつけられる」と、法廷でのビデオ上映で思い起こしたあの日の光景を語りました。
 公判に先立ち、「被爆の実態にそった原爆症認定を」と、裁判所の公平な判断を求める二万人分の署名が原告らの手によって提出されました。
 次回は八月三十一日の予定です。
長崎・原爆集団訴訟
第八回公判で証拠採用求め、ビデオ「ヒロシマ、ナガサキ核戦争のもたらすもの」を上映
「しんぶん赤旗」2004/7/13