この一年は勝負の年、仮処分決定へ運動飛躍させたい

 「『有明海異変と漁業被害の元凶は諫早湾干拓事業である』との認定で工事差し止めを」と、佐賀地裁で争っている「よみがえれ!有明海訴訟」は、五月にも仮処分決定が出されようとしています。中・長期開門調査を渋る農水省にその実施を迫り、干潟と宝の海・有明海再生に道すじをつけるこのたたかいは、事業の行方を左右する重要なカギとなっています。
 「何としても勝利の仮処分を」と、この裁判をを支援する「長崎の会」は、毎月十四日に宣伝・署名活動を続けてきました。潮受け堤防閉め切りから丸七年がたった今月十四日には、長崎市浜町の大丸前でシール投票を実施、高村暎事務局長ら二十四人が諫早干潟と宝の海・有明海再生を訴えました。
 「有明海を死の海にするのか、それとも干潟と豊かな漁場を再生して子や孫たちに引き継ぐのか、あなたの意思を示してください」との呼びかけに道行く市民が次々にシールをもらって投票に参加、一時は何事かと人垣ができるほどの盛況ぶりでした。
 船乗りをめざす海員学校の学生たちの一人は、「海の底質が変われば生態系も変わる、船の航行に影響が出るときもあるんです。人の行為によって海を汚してほしくありません」と、友人とともに「工事反対」に赤いシールを貼り、署名しました。
 「もともと海を閉め切るべきではなかった」ときっぱりいうのは十九歳の女性の二人連れ。「私は生活がかかっている漁民が一番たいへんと思います。もっとそのことを考えてほしいし、海をもとに戻せるようにがんばってもらいたい」と話しました。
 支援する会の高村暎事務局長は、「この一年は勝負の年。たくさんの署名を集めて工事中止の仮処分をかちとり、中・長期の開門調査に道をひらきたい」と、開門調査の早期実施へ決意を語りました。
 シール投票の結果は、「干拓工事反対」が三百五十、「賛成」は十三でした。
諫早湾干拓、工事差し止め求める「有明訴訟」を支援する長崎の会が署名とシール投票
「しんぶん赤旗」2004/4/17