「干潟と有明海再生」「干拓工事中止」で活発な討論

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)で諫早湾奥部が閉め切られて丸七年目(十四日)を前にした十日、諫早市のみのり会館で、「干潟を守る日2004IN諫早」が開かれ約二百人が参加。「諫早湾の干潟再生と有明海|ストップ・ザ・干拓工事」と題して活発な討論が行われました。諫早干潟緊急救済本部(山下八千代代表)と実行委員会の主催。
 諫早湾の干潟を守る長崎県共同センターの高村暎代表が、干拓現場の状況を報告し、安藤毅九州大学名誉教授は「調整池の水質はよくならない」と報告しました。
 東幹夫・前長崎大学教授は、三十八年間大きな変化がなかった有明海の現状について、「諫早湾潮止めによって潮流が変化し、わずか五年間で有明海全体の低質が明確に変った。同時に底生動物も劇的に変化した」と、詳細な研究資料をもとに解明。「堤防閉め切りは有明海に影響を与えていない」との国の報告書を批判し、「早く中・長期開門調査に踏み切ることが重要」と強調しました。
 有明海沿岸の漁業者は、「泥が網に付着し、海底環境がどんどん変化し、汚れていることが実感される」(吉田訓啓氏・島原)、「昨年末タイラギ漁を再開したが、大きくなる時期に成長せず死んだ」(平方宣清氏・佐賀大浦)などと、海の変化や実態を次々に語り、ノリも貝も魚も、漁業が成り立たず、上京して農水大臣に直接訴えたやむにやまれぬ思いを訴えました。
 集会では、「干拓工事の中止と開門調査」「旧干拓地の排水対策と既存堤防の改築」などを求める集会宣言を採択しました。
潮止めから7年、「干潟を守る日2004IN諫早」集会に2百人
「しんぶん赤旗」2004/4/12