江戸初期からの長崎の歴史示す遺跡や出土品を展示、石組地下室や排水溝、花十字瓦など貴重な文化遺産

 長崎市役所の北東側に新築された桜町小学校(長崎市勝山町)の一角にこのほど、「サント・ドミンゴ教会跡資料館」がオープン。江戸時代初期からの長崎の歴史を見ることのできる資料館として注目を集めています。
 ここは、一六〇九年にスペイン系のサント・ドミンゴ教会(五年後に禁教令で破壊)が建てられ、後に長崎代官屋敷となった場所。「勝山町遺跡」と呼ばれています。
 教会当時の石組式地下室や異国様式の石畳、排水溝などの遺跡とともに、代官屋敷時代と重なる土坑と礎石跡、切石を積み上げた井戸などが保存されています。キリスト教の象徴「花十字紋瓦」などの出土品や、一六六三年の「寛文の大火」(勝山町を含む五十七町が焼失)による焦土層も見ることができます。
 二十八年前、この地にあった旧勝山小学校を卒業した女性は、「勉強していた校舎の下にこんな遺跡があったことを知り、この上を走り回っていたのが申し訳ないような気持ちです」と感想を綴っていました。
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 開館時間は九時から午後五時、月曜日と年末年始は休館。入場無料。
新資料館開館、「サント・ドミンゴ教会跡資料館」オープン
「しんぶん赤旗」2004/4/8