「被爆遺構の一部保存は無理な要求なのか」と疑問の声

 長崎原爆最後の大型遺構といわれる臨時救護所跡(旧新興善小学校)の解体がすすむなか、「新興善救護所跡を保存する市民連絡会」は五日、長崎市内の鉄橋(てつばし)で遺構の一部保存を求める、伊藤一長長崎市長への要請メッセージや寄せ書き、宣伝・署名活動に取り組みました。
 行動には長崎の証言の会のメンバーら十数人が参加、「被爆の実相を伝えるのは被爆地の義務。市長は核廃絶の準備会議に参加するというが、原爆の遺構を壊して、被爆者の声をどう世界に伝えるのか」などと訴え、保存への声を大きくと呼びかけました。
 「戦争や原爆の悲惨さを消すようなことはしてほしくない」などと、女性や高校生らが署名や寄せ書きに思いを込めていました。
 被爆二世という男性Jは署名しながら、「多くの被爆者が担ぎ込まれて治療を受け、死んでいった場所をそのまま残すのは大事なこと。一部保存はそんなに無理な要求なのでしょうか」と、市の姿勢に疑問を投げかけていました。
 市民連絡会共同代表の一人・竹下芙美さんは、「何としても長崎市に考えを改めてもらいたい」と、十一日までの連日の座り込み(旧新興善小門前・十一時から)への参加を呼びかけました。
長崎原爆臨時救護所跡の保存求め連日の宣伝署名、座り込み
「しんぶん赤旗」2004/4/8