長崎市民の水がめ・神浦ダムが、上流の産廃処分場の不法投棄によって汚染され続けている問題で、長崎市は二十二日、三方山(同市松崎町)の産業廃棄物処分場を操業している長崎三共有機株式会社に対し、「下水汚泥などの不適正処理があった」として、改善命令を出しました。
 同市環境部が市議会文教経済委員会に提出した報告書は、昨年九月五日の裁判所による現地検証後、「三方山最終処分場の社長や元従業員に対する質問調査。及び処分場内五カ所を独自に堀削調査し、廃棄物処理法に基づく徴収を行なった」としています。
 掘削調査で掘り出された下水汚泥について、業者は「肥料ととして埋めた」と説明。市側は、肥料として使用したとしても「平成三年改正の法改正以降は、処理基準に違反している」と判断。下水汚泥などの不適正処理について、改善計画書の提出を求めたものです。
 この問題は、すでに長崎地裁で操業停止と原状回復を求める「三方山水源訴訟」の審理がすすめられ、支援する会も発足。元従業員による「上司の指示で不法投棄した」との証言を聞く市民集会などが開かれ、日本共産党も繰り返し議会で取り上げてきました。
 
訴訟原告団の田原晃哲団長の話
 


「市の改善命令」のニュースを見て涙がでた。ここまで七年の歳月がかかった。第一歩が切り開かれたが、裁判もこれからが正念場。市民の水がめ・神浦ダムを守るためがんばりたい。
三方山産廃、長崎市が産廃業者に改善命令
「しんぶん赤旗」2004/3/25