同じ人類社会であった事とは思えない」と、地元の平和祈念展に生かす思い語る

 被爆市民の意識調査や被爆者との懇談、被爆遺構調査、戦時の強制労働の実態聞き取りなど、三日間にわたって長崎で平和学習・研修活動を続けている岐阜県中津川市立第一中学校の修学旅行生百五人は二十一日夜、爆心地から八百bにある城山小学校の被爆校舎を見学、被爆者・下平作江さん@Kの話を聞いて原爆の凄まじさや戦争の愚かさを直接学びました。
 五十八年前、城山小学校(当時国民学校五年)に通っていた下平さんから、被爆校舎のなかの写真説明を聞いていた女生徒らは、「あれがここの校舎だ、まわりには何もないよ」「ひどすぎるよね」などの声をあげながらも、終始うつむきかげんで大きなショックを受けたようすでした。
 下平さんは、「アッという間のできごとで親や兄姉を亡くし、数え切れない黒こげの死体と遭遇した。思い出したくないが若い人に核兵器の怖さ、凄まじさを伝えるのが私の義務」「十歳で味わった苦しみを繰り返してほしくない」と、平和の尊さを語りかけました。
 目頭を押さえていた女生徒らは、「悲しい。同じ人類社会での出来事とは思えない」「聞いた話を八月の平和祈念展に生かしたい」などと感想を寄せました。
 同中学校では長崎での平和研修をグループごとにまとめ、地元で開く八月の「平和祈念展」で発表し、市民に平和の大切さをアピールします。
長崎で被爆校舎見学、被爆者の話に涙
 岐阜県の修学旅行の中学生たち
「しんぶん赤旗」5月23日