2003年5月13日(火)「しんぶん赤旗」

長崎知事、公費で当選祝い

自公などの県議50人に


 長崎県の金子原二郎知事が四月の県議選後、当選した県議五十一人のうち、日本共産党の中田晋介県議を除く自民、公明などの五十人に、当選祝いとして知事交際費から日本酒や花束を贈っていたことが、十二日までに明らかになりました。

 県秘書課によると、金子知事は、無投票当選した県議八人に酒三本(約五千七百円相当)を届けたほか、十三日の投票で当選した県議四十二人にはカーネーションの花束(三千円相当)を贈りました。総額は約十七万一千六百円。

 金子知事は「当選者に祝意を表したい」と、事前に同課と打ち合わせをして私費で贈ろうとしましたが、公職選挙法(寄付行為)に抵触する恐れがあるため、交際費からの支出に変えました。

 知事は、昨年二月の知事選で、日本共産党以外の各党から推薦を受けて再選しています。その際、自民党県連の前幹事長らが県発注工事を受注しているゼネコン各社に選挙資金を要求、公選法違反(特定寄付の要求禁止)などの罪に問われています。

 どういう行政目的で公金を支出したのかなど、情報公開を求めている日本共産党の中田県議は「公選法に触れるおそれがあることがわかった段階でやめないといけない。チェックしあう関係の県議らも受け取って黙っているというのはおかしい。金額の多寡の問題ではない。議会でも追及していきたい」と話しています。