2003年3月20日(木)「しんぶん赤旗」

自民県連

起訴事実認める

長崎違法献金事件前幹事長ら初公判 機密費が慣例化


 昨年二月の長崎県知事選に関し、県発注工事を受注していたゼネコンに寄付を要求し、収支報告書に虚偽の記載をしたとして、公選法違反(特定寄付の要求禁止)や政治資金規正法違反(虚偽記入)などの罪に問われた自民党長崎県連の前幹事長浅田五郎(65)、元事務局長安田実穂(65)両被告に対する初公判が十九日、長崎地裁(山本恵三裁判長)で開かれました。

 両被告は罪状認否で「(事実に)相違ありません」と述べ、起訴事実を全面的に認めました。

 冒頭陳述で検察側は、両被告がゼネコン各社への寄付要求に加え、福岡県内の支店を回る際の根回しや日程表作成なども業者に依頼するなど、徹底した癒着ぶりを詳述。安田被告がゼネコンからのヤミ献金などを収支報告書に記載しない「機密費」として管理し、幹事長に渡すことが慣例化していたことを明らかにしました。浅田被告が幹事長に就任した二○○一年五月以降は、約二千三百万円が派閥の取りまとめや海外訪問せんべつなどとして、主に自民県議らに分配されていたといいます。