ゼネコン献金で豪華飲食

自民長崎 3年間で3000万円

2003年1月20日(月)「しんぶん赤旗」

 長崎県知事選にからむ違法献金事件で、前幹事長が逮捕された自民党長崎県連(会長・虎島和夫衆院議員)が、一九九九年から三年間に県議らの懇談の名目で約三千万円の飲み食いをしていたことが、わかりました。

 県連の政治資金収支報告書によると、「組織活動費」のうち、料亭やクラブの名前がズラリと出てきます。調べてみると、「県連役員ほか懇談経費」「支部役員ほかとの懇談経費」などの名目で使った飲食費は、一九九九年=約八百九十万円、二〇〇〇年=約千二百万円、〇一年=約九百九十万円にのぼります。

 このうち、〇一年は、料亭、ステーキハウス、ピアノバー、クラブなど四十六の店名が記載され、のべ九十回の飲食があります。ほぼ四日に一回の割で、飲み歩いていたことになります。

 八割近くが長崎市内の店ですが、参院選直前の六月二十七日に「党役員ほか県連役員との懇談」を東京・赤坂の料亭で開き、三十四万二千二十五円を支出しているのをはじめ、赤坂六店、同・銀座二店など県外も。

 一回の支出の平均は十万円以上。なかには、逮捕された前幹事長、浅田五郎容疑者(65)が知事選に向け、ゼネコン各社に献金を要請した直後の十二月二十日、一晩で六十三万五千六百五十一円を使ったケースも。

 五月八日には、長崎市内の料亭、割烹、ピアノバー五カ所を“はしご”、しめて四十八万六千五十八円の支出をしています。

 これら飲み食いの原資は、ゼネコンなどの企業・団体献金。とくに公共事業受注企業からの献金は税金の還流という性格をもっています。庶民の苦しみをよそに、連夜の飲み食い。市民感覚からは、遠く離れています。

自民県連前幹事長 公選法違反認める

 昨年二月の長崎県知事選に絡む違法献金事件で、公職選挙法違反(特定寄付の要求禁止)などの容疑で長崎地検に逮捕された自民党長崎県連の前幹事長浅田五郎容疑者(65)が、「知事選目的で献金を要請した事実は否めない。申し訳ない」などと容疑を認める供述を始めたことが十九日、分かりました。同容疑者はこれまでも事実関係については大筋で認めていましたが、犯意や違法性の認識などについてあいまいな供述をしていました。

 接見した弁護士の話などによると、同容疑者は公選法違反容疑についてはほぼ全面的に認めるとともに、「選挙目的なら献金が集まると思った」と供述。違法性の認識についても「否定できない」などと述べています。また、清水建設などゼネコンからのヤミ献金についても「『機密費』として自分が受け取った」などと供述しているといいます。