自民長崎県連政治資金2300万円虚偽記載?

小沢議員調べ 支部報告と食い違い

2003年1月9日(木)「しんぶん赤旗」

 昨年二月の長崎県知事選をめぐる違法献金疑惑で、長崎地検の強制捜査を受けた自民党長崎県連の政治資金収支報告書に二千三百万円を超す政治資金規正法違反(虚偽記載)の疑いが明らかになりました。日本共産党の小沢和秋衆院議員の調べでわかったもの。


 自民党長崎県連(会長・虎島和夫衆院議員)が長崎県選管に提出した二〇〇一年分の政治資金収支報告書によると、県内の自民党の地域支部や業界団体支部、選挙区支部にたいして選挙関係費、交付金など計五千六百六十二万円の支出をしています。

 ところが、県連から受け取った支部側の報告書によると、県連からの収入は計八千五万円。約三割に相当する二千三百四十三万円もの“食い違い”がありました。

 違法献金疑惑で、長崎地検の事情聴取を受け、県連幹事長も県議も辞任した浅田五郎氏が支部長の「自民党長崎市第一支部」の場合、県連側の報告書では、一円の支出の記載もないのに、県連から七十四万七千二百円の収入があります。五十万円以上の“食い違い”があるのは、同支部を含め、十三支部(表参照)あります。食い違いのある支部数は県連から支出を受けた支部のほぼ半数にあたる八十二支部にのぼり、支部側の記載ミスとは考えにくい規模です。県連の届け出額より、かなり多い資金が支出された疑いが浮上しています。

知事選直前に集中

 注目されるのは、支部側が県連から受領したと届け出ている日付です。

 金子原二郎知事と関係が深く、県発注工事受注企業からの献金を知事の「対馬後援会」に渡すトンネル役として違法献金疑惑への関与が指摘されている「県魚市場連合会支部」は、知事選直前の一昨年十二月二十八日に百五十六万五千二百五十円を県連から受け取っています。

 「長崎支部」百九十二万二千四百円、「長崎市第一支部」二十万一千円、「長崎市第二支部」五万四千円、「南松浦郡第一支部」六万八千四百円、「生月支部」五十二万八千円、「県遺族会支部」三百十七万六千二百五十円、「県第四選挙区支部」百七十一万五千八百円なども、同じ十二月二十八日です。

 一昨年末は、自民党県連が知事選に向け、ゼネコンはじめ建設会社に献金を要請、判明しているだけでも五千万円以上の献金が県連にあった時期。今回、明らかになった虚偽記載は、知事選をめぐる違法献金疑惑との関係も注目されます。

《自民党長崎県連の記載額より50万円
以上多い収入を届け出ている自民党支部》
長崎支部 264 佐藤 忠市議
長崎市第一支部 74 浅田五郎県議
同  第二支部 55 谷川弥一県議
同  第三支部 54 野本三雄県議
島原市第一支部 100 加藤寛治県議
西彼杵郡第二支部 100 池原 泉県議
南松浦郡第一支部 56 末永美喜県議
生月支部 62 大石 傳町議
平戸支部 77 西川克己市議※
県遺族会支部 326
県魚市場連合会支部 164
県宅建支部 113
県第四選挙区支部 318 宮島大典前衆院議員
《注》単位万円(万円以下切り捨て)、金額は差額。氏名は支部長。※は幹事長