「世界平和が遠のいている」と、被爆者らに危惧の声


 年の瀬がせまるなか、原水爆禁止長崎県協議会(県原水協)は二十二日、長崎原爆病院(長崎市茂里町)と恵の丘長崎原爆ホーム(長崎市三ツ山町)を訪れ、見舞金とカレンダーを手渡し関係者と懇談しました。柴田朴、岩本アヤ両代表委員と片山明吉事務局長が参加しました。
 恵の丘原爆ホームでは、約五十人の被爆者と松崎ヒロ子施設長らが「恵の丘のうた」を合唱して出迎えました。柴田代表委員は、「被爆者の願いは原爆をなくすこと。自衛隊派兵などきな臭い動きが強まっていますが、戦争を繰り返させてはなりません」とあいさつ。入所者は、うなずきながら話に聞き入り、お礼に手作りのキティーちゃん人形をプレゼントしました。
 利用者を代表してお礼をのべた車いすの藤田ヤスさんBLは、「世界の平和が遠のいて行くように感じます。(被爆者は)これからも原爆の悲惨さを伝えるため語り続けていきます」と、核兵器廃絶を訴えることばを朗読しました。
 原爆病院では進藤和彦院長らと懇談。同院長は、「在外被爆者問題にも積極的に取り組みたい」などと抱負を語り国の支援を訴えていました。同病院に入院中の被爆者の平均年齢は74歳です。
県原爆協が原爆ホームと原爆病院を訪問し被爆者を見舞う
「しんぶん赤旗」2003/12/23