長崎県の原水爆禁止佐世保協議会(山下千秋理事長‖日本共産党市議‖)と佐世保平和委員会(町田勇会長)、日本共産党北部地区委員会(中尾武憲委員長)は十二日、同市の光武顕市長に対し、米原潜が十一日に事前通知を無視して出港したことに抗議し、市民の安全優先を貫くよう緊急に申し入れました。
 放射能測定体制のため慣例化されてきた、「二十四時間前の事前通告」を無視して佐世保港を出港したのは米海軍のロサンゼルス級原子力潜水艦ポーツマスです。
 山下氏らは、市長が外務省を通じて米軍に抗議したことを評価しつつ、「単なる慣例だから(米軍や政府に)強くいえないとの市の姿勢は不十分」と指摘。「米軍は佐世保を『遠征攻撃群』(注)の拠点として再編しようとしており、出港時だけでなく、明確な入港時の『取り決め』の空洞化さえ危惧されている。市民の安全が米軍の運用に左右されてはならない」と、入出港時の事前通告厳守を強く要請するよう求めました。
 応対した同市の野口日朗助役は、「入出港とも二十四時間前通告は(米軍と政府)最小限の責任。市民を不安に陥れることはしてほしくない」「(同時多発テロ以降の)入港時の通告未公表措置の解除を今後とも求めていく」と答えました。
 (@注)米軍の上陸作戦を担う佐世保の強襲揚陸部隊に、イージス艦や原潜を加えてミサイル攻撃能力をもたせ、海兵隊の即応性・機動性を飛躍的に高めることを狙った新たな艦隊戦闘集団。米海軍の機能再編の重要な一環とされている。
原潜の慣例無視出港に抗議。米軍の運用に左右されない市民の安全優先の姿勢求める
          「しんぶん赤旗」03/11/14