現場検証で処分場から有害廃棄物次々

 長崎市民が使用する水道水の40%を供給する神浦(こうのうら)ダムの上流にある産業廃棄物処分場‖三方山・長崎市松崎町‖で五日、生臭い下水汚泥や焼却灰、医療廃棄物、建築廃材などがそのままの形で大量に掘り出されました。
 長崎市の許可を受けた産廃業者・長崎三共有機の、28年間にわたる不法投棄・放置で、市民の水が重金属などに汚染されているとして、操業停止や現状復帰を求めている「三方山水源訴訟」の現場検証で明らかになったもの。産廃業者元従業員の証言に基づき、重機で三カ所を深さ二b掘削、医療用チューブやラベルの残った薬用ビン、塩化ビニールなどが次々に現認されました。
 この日同時刻、「同訴訟を支援する会」と「長崎の自然と文化を守る会」、地元住民ら約五十人は、ダム入口の広場で集会を開き「元の清流を返せ」と訴えました。
 検証後、集会に駆けつけた田原晃哲原告団長や梶山正三弁護士らは、「深く掘らずに出てきた。相当広範囲に投棄されていたと思われる」「低温で燃やした焼却灰の中の重金属(水銀、鉛、ヒ素など)が流れ出し、水源を汚染しているのは明らか」などと報告、実態を多くの市民に知らせいっそうの裁判支援をと呼びかけました。
 長崎市は同日、「(現認された廃棄物が)処理法上不適正な処理かどうかの判断を調査したい」とのコメントを発表しました。
三方山水源訴訟
「元の清流を返せ」と市民や住民が集会
「しんぶん赤旗」2003/9/8