長崎県の金子原二郎知事の資金管理団体「明日の長崎県を創る会」と、「自民党魚市場連合会支部」との間で九百万円の「借入金」(貸付金)のやりとりがあったことが、日本共産党の小沢和秋衆院議員の調べで六日までにわかりました。
 自民党長崎県運は昨年二月の知事選で県発注公共工事受注企業から寄付を集め、前幹事長らが公職選挙法違反に問われましたが、金子知事についても、知事選直前に「金子原二郎対馬後援会」が「自民党魚市場連合会支部」を経由して県工事受注企業から献金を受け取っていた疑惑が本紙報道(一月二十五日付)で明らかになっていました。
 知事の資金管理団体と同支部との直接のかかわりが明らかになったのは今回が初めてです。
 問題の「借入金」は、「創る会」と「連合会支部」が政治資金収支報告書(二〇〇一年分)をそれぞれ訂正報告して明るみにでました。九百万円のやりとりがあったのは、〇一年十二月二十七日で、知事選直前でした。
 同支部の政治資金収支報告書によると、〇一年に八百二十二万円の企業献金を集めています。このなかには知事選直前に、知事選期間中を含む時期に県発注工事を受注していた若築建設など六社から計百六十六万円の献金が含まれています。
 ほぽ同時期に同支部は二百六十方円を金子原二郎対馬後援会に献金しています。(図参照)
 同支部の代表は、金子知事が会長を務めた青果卸会社の元役員。会計責任者も、知事が自民党衆院議員時代の公設秘書が経営する生鮮魚介卸会社の常務です。
 公職選挙法一九九条は、地方自治体の議員と首長の選挙に関して、その自治体と請負などの契約関係にある企業の寄付を禁止しています。献金した若築建設など六社は献金当時、公選法で知事選にかんする寄付ができない立場でした。
金子知事の政治団体が
知事選直前に自民党支部から900万円の借入金
「ぶしんん赤旗」2003/9/7