「核兵器のことが軽視されすぎていないか。黙っていていいのか」と問いかけ

 五十八回目の原爆の日を前に、長崎国際文化会館(現在の長崎原爆資料館)の元館長で、長崎市民平和大集会代表委員を務めた松永照正さん(長崎市在住)が、長崎で被爆した少女をテーマにした本「あやと青い目の人形」(クリエイティブd)を出版しました。
 松永さんは、5歳の弟を背負い野焼きしなければならなかった悲しい体験を持つ人。数々の被爆遺品や被爆体験の記録に感情が揺さぶられ、勉強すればするほど「核兵器の脅威に圧倒され、目がくらむ思いがした。知れば知るほど恐ろしい」と、本を書いた動機を語ります。「現在は核兵器のことが軽視されすぎていないか。黙っていていいのか」と世界に問いかけています。
 本は、悲惨さの中にも美しさと希望を感じさせ、幅広い年齢層に読んで欲しい一冊。「母親や娘の視点からみた語り口に、松永さんのやさしさがにじむ本」(発行者の林雅行さん)です。
 絵は鹿児島県出身の會田貴代さん、写真は長崎市で被爆写真を撮り続けている黒崎晴生さん。
 八月に全国の書店で発売予定、B5判、百二十n、千八百円。
元長崎国際文化会館館長が、被爆した少女をテーマにした本「あやと青い目の人形」を出版
「しんぶん赤旗」2003年7月31日