野良猫や板で目張りされた窓の並ぶアパート群見て怒り新た


 全国のじん肺訴訟原告と弁護団の代表、じん肺闘争支援東京連絡会(矢部正代表)は十一日から三日間、長崎県西彼杵郡北部の旧産炭地を視察するとともに、長崎地裁などで争われている三井松島じん肺訴訟原告と「早期勝利をめざす集会」を開き交流しました。
 約七十人の視察団は、大島炭鉱の遺構(大島町)や崎戸炭鉱資料館(崎戸町)を視察後、十二日には〇一年十一月に閉山した池島炭鉱(外海町)に渡りました。
 三井松島じん肺訴訟の井上久男団長らは、長年働いた同炭鉱の立坑の前で、「近代化された優良鉱ともてはやされたが、いかに早く採炭現場に到着し、少人数で、機械を止めずに二十四時間操業を続けるかが追求されてきた」と、数`先にある海底の現場の状況を説明。「機械化と粉じんの関係は」との質問に、「粉じんが舞う状況は変わらなかった。機械を止めないから粉じんが排除される時間はなかった」などと説明しました。
 北海道から参加した中村テルミさん(北海道石炭じん肺原告)は、「国策で炭鉱が閉山し残ったのはじん肺だけ。野良猫が目立ち、板で目張りされた窓、草ぼうぼうのアパート群を見ていると怒りが込みあげる。情けなく悲しい」と、裁判勝利への決意を新たにしていました。
じん肺現地調査、全国から七十人が閉山後の池島炭鉱などを視察
「しんぶん赤旗」2003年7月15日