2003年7月12日(土)「しんぶん赤旗」

長崎県連

自民元幹事長に有罪

違法献金「暴力団の上納金のよう」


 昨年二月の長崎県知事選挙に関し、県発注工事を受注していたゼネコンに寄付を要求し、収支報告書に虚偽の記載をしたとして、公選法違反(特定寄付の要求)や政治資金規正法違反(虚偽記載)などの罪に問われた自民党長崎県連の元幹事長浅田五郎(65)、元事務局長安田実穂(65)両被告に対し、長崎地裁は十一日、有罪判決を言い渡しました。

 判決は、収賄罪にも問われた浅田被告に懲役二年六月、執行猶予五年(求刑懲役二年六月)、安田被告に禁固二年、執行猶予五年(同禁固二年六月)。山本恵三裁判長は、受注実績に応じた寄付要求について「近世以前の御用金や暴力団組織の上納金を連想させるような強引、露骨な方法」とのべ、「県連幹事長が公共工事の受注調整に大きな影響力を有し、寄付要求は断れないというのが常識となっていた」と指摘。「賄賂(わいろ)的な性格も濃いもの」と厳しく批判しました。

 今回の事件は、これまでほとんど摘発されることのなかった選挙資金目当ての献金要請や、虚偽記載が罪に問われたもので、この判決は自民党政治の実態を告発するものです。

 判決によると両被告は金子原二郎知事が再選をめざした二〇〇二年二月の知事選直前の○一年十一月から十二月にかけ、ゼネコンが加盟する業界団体幹部らに寄付を持ち掛けた上、福岡県内の支店を訪問し、県発注工事を受注していた五洋建設などゼネコン八社に寄付を要求。さらに、同年六月から十二月にかけ若築建設など五社から受けた献金約千四百四十万円を簿外処理し、同年の収支報告書に虚偽の収入額を記載しました。浅田被告は同年八月、県議会でのダム建設工事承認に関して便宜を図ったことの報酬として、清水建設にわいろを要求しました。