2003年6月18日(水)「しんぶん赤旗」

長崎知事が県議に清酒、生花

当選祝い 詳細判明

自公民社など50人 “たかだか数千円”居直りも


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金子知事あての「アレンジ花」42人分の請求書と「交際費施行伺」の写し。県議名は黒く隠されています

 長崎県の金子原二郎知事が四月の県議選で当選した日本共産党を除く県議五十人に「当選祝い」として知事交際費から酒や花束を贈っていた問題で、長崎県はこのほど情報公開請求に応じ、「支出負担行為決議書兼支出命令書」「交際費施行伺」などの公文書を開示しました。「御樽(たる)」「アレンジ生花」など、公金十九万二千九十円支出の詳細がわかりました。

 当選祝いは、金子知事が自民、公明、民主、社民など、日本共産党の中田晋介県議を除く全議員に私費で贈ろうとしましたが、選挙区内での寄付行為を禁じた公職選挙法に抵触する恐れがあったため、交際費に切り替えたもの。

 開示された「交際費施行伺」などによると、福江市、北松浦郡など無投票当選した五選挙区八人の県議には告示日に「御樽」(清酒三本、五千七百六十円)を贈っています。選挙で当選した四十二人には投票日の翌々日に「アレンジ生花」(三千円)を贈っています。これまで知事交際費で支出された金額の総額は約十七万円とされてきましたが、消費税や「花キューピット手数料」などを含めて総額十九万二千九十円にのぼっています。

 「贈呈先」の議員名は「特定の個人が識別され得る情報であるため」として塗りつぶしています。五十人の内訳は日本共産党をのぞく自民二十七人、公明、社民各三人、民主五人などです。

 当選祝いをもらった自民党県議は「県議はみな厳しい選挙を勝ち抜いてきた。それに対し『お疲れさまでした』とねぎらってなぜいけないのか。たかだか数千円だ」(「朝日」長崎版五月十七日付)などと開き直っていますが、原資は税金です。日本共産党の中田晋介県議は「政治とカネの問題がこれだけ批判されているのに、まだ懲りていない。そもそも知事個人の儀礼に税金を使っていいわけがない」と話しています。