自民県連幹事長が辞職

県議も 知事選で違法献金要請

2002年12月30日(月)「しんぶん赤旗」

 今年二月の長崎県知事選に絡む違法献金事件で、県発注工事を受注していた建設会社に献金を要請し、公選法違反(特定人に対する寄付の勧誘、要求の禁止)の疑いで長崎地検に家宅捜索された自民党長崎県連の浅田五郎幹事長(65)=県議=は二十九日、議員辞職願を県議会に提出し、即日許可されました。また、幹事長職の辞職願も県連に提出、受理されました。

 同幹事長は数回にわたる地検の事情聴取で容疑を否認していましたが、今回の辞任は、事実上、違法献金の責任をみずから認めたもの。県政最大与党の幹事長が辞職したことで、今後、金子原二郎知事の責任や公共事業受注企業との構造的な癒着がいっそう厳しく問われることになります。

 議会事務局や県連によると、辞職理由はいずれも「一身上の理由」。同県連会長の虎島和夫衆院議員は、辞職願の受理後、記者団に対し「現在の混乱した状況に早急に区切りを付けなければならない。(浅田氏は)政治家として辞める時期だと判断したのだろう」と語りました。

 自民党県連は、知事選直前の昨年十一月、東京や大阪に本社を置くゼネコン四十九社でつくる「県建設業協会長崎中央支部」に、「知事選で金がかかる。五千万円を取りまとめてほしい」と要請。五洋建設など四社は昨年末に計九百万円、鉄建など三社がことし一月に計一千万円を県連に寄付しました。七社はいずれも当時、県発注工事を請け負っていました。