長崎知事後援会に虚偽記載疑惑

献金額も日付も食い違い

2002年12月28日(土)「しんぶん赤旗」

 長崎県知事選に絡む違法献金事件で、金子原二郎知事の「対馬後援会」(長崎県厳原町)に政治資金規正法違反(虚偽記載)の疑いがあることが、本紙の調べでわかりました。

 二〇〇一年分の政治資金収支報告書によると、自民党長崎県魚市場連合会支部は、ことし二月の知事選を控えた昨年十二月二十日、金子原二郎対馬後援会に二百六十万円を寄付しています。ところが、金子原二郎対馬後援会の報告書では、同支部からの献金は十一月二十七日に五十万円、十二月六日、七日に各四十万円、二十五日に百四十二万円、二十八日に三十八万円の計三百十万円。

 日付も大きくことなり、金額も五十万円食い違っています。同支部の浦川成良支部長は、「経理については金子後援会本部がやっており、支部の金の流れはまったく把握していない」とのべており、金子知事の後援会本部が献金処理にあたっていたことを認めています。

 政治資金規正法二五条は虚偽記入について五年以下の禁固または百万円以下の罰金に処するとしています。


知事選目当て 後援会を設立

 金子原二郎対馬後援会が設立の届け出を県選管に出したのは、知事選の約二カ月前の昨年十一月十六日。事務所の所在地は県建設業協会対馬支部と同一です。設立経過からみて、同後援会は知事選目当てに急きょつくられたもの。この後援会が、自民党長崎県魚市場連合会支部を通じて若築建設や地元建設会社など県発注工事を受注する建設会社十三社から四百四十八万円の献金を受け取り、うち九社分、三百六万円に違法献金疑惑が指摘されています。