昨年十一月に閉山した松島炭鉱・池島炭鉱(長崎県外海町)と同大島鉱業所(同大島町、70年閉山)で長年働きじん肺になった労働者と遺族の六十二人(元従業員四十九人と遺族十三人)が二十五日、「会社が粉じん対策を十分行わなかったことがじん肺の原因」として提訴。松島炭鉱とその親会社・三井松島産業(本社、福岡市)の二社に対し、「加害責任を認め、謝罪と補償、じん肺根絶対策を求める」訴えを、長崎地方裁判所(原告三十一人)と福岡地方裁判所(同三十一人)に同時におこしました。

 今回はその第二陣、三月の第一次提訴と合わせて原告団は百三十七人となりました。原告には六十歳未満の現役世代が二十人、昨年の閉山まで働いていた原告十八人が含まれています。

 提訴集会で原告団の井上久男団長は、「裁判の引き延ばしを続けて原告患者を苦しめる被告会社に対し、百三十七人が心を一つにして行動し、早期和解による全面解決をめざす」と決意を表明しました。

 「炭鉱開発の技術を世界に広めようとする被告会社の責任は重大」とする声明を読み上げた原告の八木繁さんは、「閉山まで働いていた原告には、会社の検診でじん肺と言われたものは一人もいない。じん肺患者は現存しており、会社が『粉じんはなかった。教育もした』と一言で切り捨てることは許されない」と、被告会社の態度を批判し猛省を求めました。
三井松島じん肺第二次訴訟
謝罪と補償とじん肺根絶求める
「しんぶん赤旗」2002年12月27日