ファクス先は議員会館

久間氏秘書のペーパー会社

政治活動拠点でサイドビジネス

2002年12月20日(金)「しんぶん赤旗」

 自民党政調会長代理(衆院有事法制特別委筆頭理事)の久間章生元防衛庁長官の中尾國光政策秘書(61)が、関西国際空港二期工事の請負業者からペーパー会社、「東海物産」を通じて多額のコンサルタント料を得ていた問題で、同社のファクス送付先が久間氏の議員会館事務所になっていたことが十九日、関係者の話で分かりました。秘書が政治活動の拠点である事務所をサイドビジネスに利用していた実態が浮かび上がりました。

 会社登記簿によると、東海物産は東京都港区赤坂のマンションの一室にあります。表札もなく、公表されているファクス番号は衆院第二議員会館の久間氏の事務所と同じでした。かかってきた電話も、すべて政策秘書の携帯電話に転送される仕組みになっており、実態のないペーパー会社だったことが裏付けられました。

 同社は一九八八年十月、長崎県内の建設会社役員らが建築資材の販売を目的に設立。九六年に政策秘書が代表取締役に就任するまで休眠状態が続きましたが、関空二期工事が始まった九九年から二〇〇〇年の二年間の売り上げは六億円を超えていました。

 公私の区別があいまいになっていたとの指摘に対し、政策秘書は「(秘書の)事務が忙しくなってきたので、今年三月に会社の仕事はやめている」と話しています。


ペーパー会社役員に献金企業の代表

 関西国際空港二期工事の請負業者から、コンサルタント料名目で約五千万円を受領していた自民党の久間章生政調会長代理(衆院長崎二区)の中尾國光政策秘書(61)が代表を務めるペーパー会社「東海物産」(東京・港区赤坂)の役員に、久間氏に献金をしている企業の代表が名前を連ねていたことが本紙の調べでわかりました。

 東海物産の登記簿などによると、資本金は一千万円。中尾政策秘書のほか三人の取締役のうち、一九九八年五月から二〇〇〇年五月まで代表取締役を務め、現在、取締役の近藤盛安氏は、福岡市南区のコンクリート製品製造業、「福岡ハクショウ」の代表です。

 久間氏が支部長の自民党長崎県第二選挙区支部の〇一年分の政治資金収支報告書によると、同社から四十八万円の献金を受けていました。

 同社の関連会社「長崎ハクショウ」は、久間氏が漁民はじめ県民の反対を押し切って推進している諌早湾干拓の関連事業を受注しています。同社は、自民党長崎県連に九五年に百万円の献金をしています。