国営諫早湾干拓事業の前面堤防工事が漁民らの反対を無視して強行されていることで、日本共産党の小沢和秋衆院議員を団長とする沿岸四県合同調査団は二十八日、中央干拓地の現場を訪れ、同堤防工事の進ちょく状況や本体工事の現状を視察しました。
 前面堤防工事は、「諫早干潟の再生を不可能にする」と、強い怒りの声があがっているもの。広大な干潟だった部分の前面を、長さ四・三`、幅五十bの堤防で仕切り、干拓地を水辺から隔絶する工事です。
 工事は、軟弱地盤上につくられる構造物の加重を分散させる「敷き網」を敷く作業が終了。その上に砂を敷き、プラスチックボードドレーンといわれる板状の水抜き装置を打ち込む作業(来年三月まで)が準備されている段階でした。
 担当者は、「この後に土砂と土、石による、高さ三・五bの『土えん堤』を二〇〇六年度に完成させる計画」と説明しました。
 小沢議員は、「敷き網作業など工事が進んでいることを確認した。有明海再生は時間とのたたかいになっている」と感想をのべ、準備されている諫早湾干拓工事差止め訴訟と世論喚起の重要性を強調しました。
 調査は事業計画の縮小による同工事着工後初めて。中田晋介長崎県議、武藤明美佐賀県議、木下紀男党福岡県政策責任者、西川悦子党国会議員団熊本県事務所長らが参加、環有明海住民運動連絡協議会の岩井三樹事務局長らも同行しました。
有明海再生は時間とのたたかい
小沢衆院議員と沿岸四県の日本共産党代表ら、前面堤防工事の現場を視察
「しんぶん赤旗」10月30日
前面堤防工事の状況を聞く小沢衆院議員(左端)ら
敷き網作業が進む、干潟であった部分