「高校生一万人署名活動」など、被爆地長崎の高校生がすすめる平和活動が注目されています。

できることから
 「核兵器の廃絶を願い、すべての核実験に反対するネットワーク」(今田斐男共同代表)が派遣する「高校生平和大使」の活動は今年で五回目。
 一昨年の平和大使が、「自分たちでできることを」と呼びかけて実行委員会をつくりスタートした「高校生一万人署名活動」。昨年八月には署名を携えた平和大使の国連訪問となりました。
 学校の違いを超え、高校生自身の討論と創意ですすめられてきたこの署名活動は、二年続けて目標を超え、参加した高校生の大きな確信となって定着しています。同時テロ事件後の、「アフガニスタンの子どもたちに鉛筆を」の活動にも広がりました。

オランダの仲間も
 今年の平和大使は、長崎西高校三年の草野史興さんと長崎南高校二年の白石優子さんの二人。八月二十三日、約四万三千人の署名をもって国連欧州本部を訪問、英語でスピーチし核兵器廃絶を求める長崎の若者の声を伝えました。昨年の訪問をきっかけに交流が広がったオランダの高校生も参加し、自ら集めた署名をともに提出しました。
 帰国集会で草野さんは、「被爆の実相や核兵器の怖さ、平和の尊さを訴え続けることの大切さを実感しました」「フランス市民との交流で『平和憲法を持つ日本を尊敬している』との話を聞き、感激し勇気づけられました」と報告しました。

 平和大使に同行した、被爆二世教職員の会の平野伸人さんは、「高校生大使が訴える内容も深くなり、『国連自身が教えられる』といった受け止めで、対応は真剣さを増していた」と感想を語っています。
 「大学生になってもサポートしたい」「経験を生かし活動を発展させたい」と、今後の抱負を語る平和大使の二人。高校生の活動をずっと支えてきた平野さんは、この五年間の活動について「一万人署名活動などの事前の活動があるから、確信をもち土台がしっかりしてきた。運動の広がりと深まりを感じる」と、被爆地の市民とともに大きな期待を寄せています。
広がる高校生の平和活動  
「しんぶん赤旗」9月5日