2002年8月17日(土)「しんぶん赤旗」

米原子力空母が佐世保入港

出撃基地化 市民ら抗議


高後崎を通過する米原子力空母エイブラハム・リンカーンに抗議する人たち=16日午前9時すぎ、長崎県佐世保市

 米海軍の原子力空母エイブラハム・リンカーン(満載排水量一〇二、〇〇〇トン)が十六日、長崎県の佐世保港に入港しました。また、同空母の随伴艦である駆逐艦フレッチャーが横須賀港(神奈川県)に、ミサイル巡洋艦シャイローが博多港(福岡県)に入港しました。

 原子力空母の日本への寄港は一九九七年のニミッツの横須賀入港以来五年ぶり。佐世保港には九〇年のカールビンソン入港以来十二年ぶりです。

 リンカーンの寄港は「乗組員の休養と食料・物資の補給が目的」とされていますが、アフガニスタンでの対テロ報復戦争のためアラビア海に向かう途中での寄港です。

 同日午前九時半、佐世保港に、艦載機を満載した長さ三百三十三メートルの巨艦が灰色の姿を見せると、入港に抗議する市民らから「まるで戦場だ」と、驚きの声が上がりました。

 同空母と随伴艦二隻は十九日に出港する予定。リンカーンは出港後、海上自衛隊との共同訓練を行います。

 有事法制反対佐世保連絡会の山下千秋代表は、緊急抗議集会で「今回のリンカーン寄港は、佐世保を対テロ戦争の出撃基地にするとともに、自衛隊の対米支援と海外出動をいっそう強く迫るものだ」とのべ、佐世保を米国の戦争に組み込む前線基地化に反対しようと訴えました。