「勝利和解は造船じん肺根絶の第一歩」と、新たなたたかい呼びかけ 
 
 三菱重工業(本社・東京)にじん肺の加害責任を認めさせ、三年六ヶ月という早期の勝利和解を勝ち取った「三菱長崎造船じん肺訴訟」の原告団と弁護団、支援の会は十九日、長崎市内で報告集会を開き、勝利和解を喜び合うとともにじん肺根絶への決意を新たにしました。

 集会には関係者や支援者、市民など約百七十人が参加。亡くなった原告に黙祷をささげ、報告に聞き入りました。

 お礼をのべた原告団の太田哲郎団長はたたかいを振り返り、宣伝活動や座り込み、本社交渉など、酸素ボンベを手放せない人など、苦しみを背負った「原告一人ひとりの積極的活動で勝ち取った勝利」と強調。「しかし、じん肺の進行は終わることはなく病魔とのたたかいは続く」と心境を語りました。

 今回の勝利和解について横山茂樹弁護団長は、「和解文書に、『造船じん肺の根絶に向けた方策』を添付したことは画期的勝利にふさわしい」と指摘。弁護団事務局長の熊谷悟郎弁護士は、被告・三菱重工が「根絶」のことばを入れてくれるなと最後までこだわったことを明かし、「勝ち取った『根絶への方策』の実施を迫るたたかいはこれから。よかったと喜ぶだけではじん肺はなくならない」と、じん肺根絶への新たなたたかいを呼びかけました。
 集会では、八人の原告患者を含む合唱団「ながせん」が、裁判勝利とじん肺根絶のためにつくった歌「勝利の日まで」を熱唱。

 「胸のフイゴはボロボロ|。こんなからだにだれがした、まっさらな肺をかえせ、じん肺なくせ」と響く歌ごえに、目を閉じて感慨にふける人、そっと目頭をおさえる人の姿もありました。
三菱長崎造船じん肺訴訟の勝利集会開く
「しんぶん赤旗」6月21日付け