2002年5月10日(金)「しんぶん赤旗」

有明海 漁獲減少とまらず

潮受け堤防工事以来

8万→1万トン台

農水省調査


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 農水省は、昨年の有明海の漁獲量をおり込んだ海面漁業生産統計調査をこのほど発表しました。それによると、昨年は二万トンの大台を初めて割りこみ一万七千五百トンにまで落ち込んだことが明らかになりました。

 有明海の漁獲量は、諌早湾干拓の潮受け堤防工事が始まった一九九〇年に八万七千トンの水揚げがあったのに対し、干拓事業で諌早湾を潮受け堤防で閉め切った九七年の翌年から三万トンを割りこみ二万トン台で推移していました。

 統計調査をもとに有明海の年間平均漁獲量を潮受け堤防とのかかわりでみると、調査手法が統一された一九七二年から八九年まで(潮受け堤防着工前)の年間平均漁獲量は、八万八千六百万トン余。それが堤防閉め切り後の九七年には二万五千七百トンと三割以下に落ちこみました。(


長期開門調査待ったなし

 日本共産党の小沢和秋・衆院議員の話 今シーズンはノリが豊作だったのになぜ開門調査をする必要があるのかという事業推進派の意見が出されたが、この統計でも干拓工事の影響で有明海の漁業が日増しに衰退しているのは明らかだ。開門調査が必要ないどころか、有明海の漁業を元に戻すために、中期、長期の徹底した開門調査が待ったなしの状況になっていることを示している。