長崎県教育委員会がすすめる、「『高校改革』で本当に教育がよくなるのか」と六日、長崎市内で学習会が開かれ、愛知県からの報告と「高校改革」で学校はどうなるか
をテーマにした講演が行われました。同「改革」を考える県民の会が主催、父母や教師、市民ら約百人が参加しました。

 愛知県の広田祥治・県立刈谷高校教諭は、全国に先駆けて二つの大学区制に移行し、十二年前には国の方針に沿った複数選抜(推薦と複数受験)を導入した同県の今日の実態について報告。

 「受験競争の激化によって学校間格差がつくられ、エリート校でも『困難』校でも中途退学と遠距離通学が激増。塾産業がはびこり、内申書への不安が子どもの大きなス
トレスとなっている」とのべ、参加者の間からそのすさまじさに驚きの声があがりました。

 広木克行・長崎総合科学大学教授は、「学ぶことで自分を発見する教育と、人材育成は対極にあるもの。子どもがどの学校に入るかだけでは親も教師も荒廃していく」と、「高校改革」の持つ危険性を指摘しました。

 市内の鶴田百代さんは、「学校が進学だけのものにされている感じがします。保育も学校も産業化の流れが強くなり心配です」と話していました。
愛知県の実態が報告された学習会
競争激化で中退が増え、塾産業がはびこる 
「しんぶん赤旗」5月9日