国営諌早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防排水門から二十四日、同湾閉め切り後初めて、堤防内側の調整池に海水を導入しました。

 この数日間の降雨で調整池の水位が上昇し、昨夜は標高マイナス0・七四bまで上がっていたため、引き潮時に、四百万dずつ二回にわたって水門をから調整池の水を出し、水位をマイナス一・〇五bに下げ、あらためて開門して海水を導入しました。

 この日の「開門」は、北部排水門はわずか二十分間。農水省によると、水位はマイナス一bまで五aだけ上昇、調整池に入った海水は百万dです。これでは再生できる干潟の面積はほとんどありません。農水省は、今後、排水と海水導入を一日二回程度繰り返す計画です。

 開門調査は、農水省が設置した調査検討委員会(第三者委員会)が調査のために海水を出し入れすることを求めたもの。農水省と長崎県が、事業の二〇〇六年完成を条件に短期調査の実施で合意していました。

 今回の「開門」は、できるだけ大量の海水の出し入れを求めている第三者委の「見解」や、水門開放と有明海再生を求める漁業者の願いとは程遠いことが浮き彫りになりました。

 諌早干潟緊急救済本部の山下八千代代表は、「閉め切り後初めて調整池に海水が入るのをこの目で確かめた。しかし、わずか二十分。およそ開門調査に値しないまやかしのもの。今後の中長期の開門に向けてがんばりたい」と語っていました。
諫干、調整池に海水導入
わずか二十分
『しんぶん赤旗』4月25日付