「生きているうちの全面解決を」と、補償・謝罪・予防求める 

 じん肺加害企業である三菱重工業(本社東京)の「補償・謝罪・予防」を求め、和解交渉をすすめている三菱長船じん肺訴訟原告団は五日、同長崎造船所水の浦正門前で座り込みと宣伝を行い、出勤中の労働者に「じん肺のない職場を」と、交渉の前進を訴えました。

 原告が自ら職場門前で座り込むのは初めてで、早朝七時からの行動に三十人を超す原告らが参加しました。

 マイクを握った原告団の太田哲郎団長は、「十二日には本社で自主交渉を行う。原告が生きているうちに時効差別のない早期全面解決を」と、正念場にきたたたかいへの支援を訴えました。
「支援する会」の佐藤郁雄会長らも激励に駆けつけ、共に座り込みました。
 車からクラクションを鳴らしたり、「がんばってください」と声をかけ、激励しながら出勤する労働者や市民も多く見られました。

 同訴訟はすでに提訴から三年。「造船じん肺は軽い。大半はタバコのため」とする被告側の鑑定申立てを長崎地裁が却下、昨年十二月以降、和解協議に入っています。

 長崎造船所では今なお四百人近いじん肺患者が働いており、原告側は「これからのためにも三菱重工が発生責任を認め、患者に謝罪し、じん肺をなくしていく対策を示すことが補償と共に重要」と交渉に臨んでいます。本社交渉には二十八人の原告・遺族が参加する予定です。
三菱長船じん肺原告団が職場門前で座込み
『しんぶん赤旗』4月6日付けより